会社の「労働基準法違反」、泣き寝入りは不要!労基署への通報方法を分かりやすく解説

「会社が労働基準法に違反しているけど、どこに相談すればいいの?」「行政の力で解決できるって本当?」

もし、あなたがそんな悩みを抱えているなら、その解決の鍵となるのが 「労働基準監督署(労基署)」 です。

労基署は、労働基準法労働安全衛生法労災保険法といった労働者の権利を守るための法律を主に取り扱う役所です。全国に約320署が設置され、その中には労働基準監督官労働事務官労働技官が働いています。

特に、労働基準監督官は、会社への立ち入り検査(臨検監督指導)や、重大な法違反事案に対する送検処分(司法警察官の職務)を行う、労働行政の最前線に立つ存在です。

会社が労働基準法に違反している場合、労基署に適切な方法で通報することで、行政の力による解決が期待できます。その通報には主に 「申告」「告訴・告発」 の2つの方法があります。


1. 労働者の権利を速やかに救済!「申告」

「申告」は、労働基準法第104条に基づき、会社が労働基準法に違反している事実を労働基準監督官に申し立て、行動を起こしてもらうために行うものです。労基署の総合労働相談コーナーでの「相談」とは異なり、監督官に具体的な対応を求める手続きです。

申告の主な特徴詳細
主体原則として労働者本人
効果申告を受けた監督官は、違法が明白でない限り、**迅速に申告監督(立ち入り検査)**を実施する義務があります。
結果法律違反が確認されれば、会社に対して是正勧告が行われます。

申告監督は、労働者の権利を速やかに救済するために行われるため、深刻な違反が疑われる場合など、迅速な対応が期待できる方法です。


2. 会社に強力なプレッシャーを与える!「告訴・告発」

「申告」が行政指導を主な目的とするのに対し、「告訴・告発」は、監督官に司法警察官としての捜査を求め、違反企業を刑事責任に問う可能性のある、より強力な手段です。

告訴と告発の違い

種類主体目的
告訴会社の違法行為で被害を受けた人(労働者本人)捜査と犯人の処罰を求める
告発違法行為を知った誰でも捜査と犯人の処罰を求める

効果は同じですが、告訴は被害者が行うもの、告発は被害者以外(例えば、行政書士や団体など)が行うもの、という違いがあります。

告訴・告発の効果

告訴・告発が受理されると、労働基準監督官は特別司法警察官として捜査を開始します。

  1. 捜査開始: 監督官が証拠収集などの捜査を行います。
  2. 送検: 捜査が完了すると、事件は検察官に送検され、司法手続きに移行します。

たとえ捜査段階で会社が違反を修正したとしても、捜査は継続されるのが原則です。

しかし、その際に告訴・告発が取り下げられると、監督官の裁量で送検が中止されたり、検察官が起訴猶予とする可能性が高くなります。このプロセス自体が、会社に対する非常に強力なプレッシャーとなるのです。

弁護士は代理で告訴を、行政書士は告訴状や告発状の作成(代筆)を行うことも可能です。より確実に、かつ強力な手段で会社に対処したい場合に有効な選択肢となります。


まとめ

通報方法主体監督官の対応目的・効果
申告労働者本人申告監督(迅速な立ち入り検査・是正勧告)労働者の権利の速やかな救済
告訴被害者(労働者本人)捜査(司法手続きへの移行)会社に対する強力な刑事プレッシャー
告発誰でも捜査(司法手続きへの移行)会社に対する強力な刑事プレッシャー

会社が労働基準法に違反している事実があるなら、泣き寝入りする必要はありません。あなたの状況や求める結果に応じて、「申告」または「告訴・告発」という適切な方法を選び、労働基準監督署の力を借りて、問題を解決に導きましょう。 ⇒HOME PAGE




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