- Q未払い賃金がある場合はどうしたらいいですか?
- A
退職時に未払い賃金が残っている場合、その請求権は残りますが、残念ながら3年の消滅時効にかかるため、一日ごとに請求できる金額が減ってしまいます。このような状況で、行政書士がどのようにサポートできるか、そしてその後の対応についてご説明します。
■行政書士にできること:時効の停止
弁護士資格がないと未払い賃金の交渉はできませんが、行政書士は内容証明郵便を作成し、送付することで未払い賃金の消滅時効を一時的に停止させることができます。内容証明郵便で支払いを請求することにより、時効は半年間停止します。これにより、未払い賃金の請求権が消滅するまでの時間を確保することができます。
■その後の対応について
最近では、大手弁護士事務所が初期費用ゼロ円の完全成功報酬制で未払い賃金の請求代理事業を開始しています。行政書士が内容証明郵便で時効を停止させた後、その後の対応についてじっくり考える十分な時間があります。この期間に、弁護士への依頼を含め、ご自身にとって最適な方法を検討することが可能です。
まずは内容証明郵便で時効を停止させ、その後、半年間の猶予期間を有効活用して、弁護士への相談など、具体的な次のステップを検討されることをお勧めします。
- Q退職時に年次有給休暇は使えますか?
- A
年次有給休暇は労働基準法で保障された権利なので、労働者が申請すれば会社は拒否できません。ただし、会社の就業規則に事前申請の規定がある場合は注意が必要です。退職時の有給休暇取得であれば事後申請でも問題ないと考えられますが、申請時期については法律で明確に定められていないため、会社との間でトラブルになる可能性もあります。そのため、できる限り事前に申請することをおすすめします。
- Q当事務所と契約前でもいろいろ相談できますか?
- A
はい、ご契約前の無料相談も承っています。
公式LINEやメールであれば、費用は一切かかりません。お電話でのご相談も可能ですが、通話料はお客様のご負担となりますのでご了承ください。
行政書士には法律で守秘義務が課せられていますので、ご相談内容の秘密は厳守いたします。どうぞご安心ください。
- Q当事務所は一般的な退職代行業務はやっていませんか?
- A
ご質問ありがとうございます。
結論から申し上げますと、一般的な退職代行業務は行っておりません。
行政書士は法律に基づき、書類作成の専門家として、お客様の意思に基づいた適法な手続きをサポートする立場にあります。そのため、退職の意思を会社に伝える使者行為は可能ですが、会社との交渉や合意形成といった弁護士法に抵触する可能性のある業務は一切行えません。一般的な退職代行で会社との交渉を伴うようなケースは、行政書士が対応できる範囲を超えてしまいます。
当事務所では、お客様ご自身で退職手続きを進められるよう、退職届や退職に関する意思表示の内容証明郵便の作成といった書面作成業務に特化してサポートしております。
もし、ご自身の状況でどのようなサポートが可能かご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
- Q勤めていた会社から損害賠償請求されることはありませんか?
- A
日本の民事裁判では、会社が元従業員に対して損害賠償請求訴訟を起こすことは可能です。したがって、退職理由にかかわらず、損害賠償請求をされる可能性はゼロではありません。
■会社が損害賠償請求訴訟を起こす可能性について
会社が元従業員に損害賠償請求訴訟を起こすことは民事上可能ですが、実際に起こるケースは極めて稀です。なぜなら、訴訟には多大な費用と時間がかかり、費用対効果を考慮すると、会社側にとってメリットがないためです。例えば、会社が1,000万円の損害賠償を求めて地方裁判所に提訴し、敗訴した場合、印紙代として約5万円が必要になります。これに加えて弁護士費用が発生します。会社側が顧問弁護士に依頼し、着手金が格安で、敗訴のため成功報酬が発生しないとしても、日当などを含め数十万円程度の費用がかかるでしょう。
■元従業員側の費用負担について
一方、被告である元従業員は裁判の印紙代はかかりませんが、弁護士費用は顧問弁護士よりも高額になる可能性があります。そして最も重要なのは、勝訴した場合でも弁護士への成功報酬が発生する点です。1,000万円の請求がゼロになった場合、それは利益と考え、成功報酬も相応の金額となり、結果的に百万円以上の費用がかかることもあります。■結論として
ほとんどの企業は、元従業員に対して損害賠償請求訴訟を起こすことはありません。訴訟を起こしてもほぼ敗訴し、費用と時間の無駄になるからです。ただし、もし損害賠償請求されそうな雰囲気を感じた場合は、損害賠償請求への対応もサービス内容に含まれている、弁護士事務所の退職代行サービスを利用することを強くお勧めします。一般の退職代行業者は、法律問題に対応できないため絶対に選ばないでください。
- Qできれば会社と接触せずに退職したいのですが?
- A
■行政書士による退職通知:内容証明郵便の活用
行政書士名で退職通知を内容証明郵便で送付することは可能です。これは、会社との直接の接触を避けたい場合に特に有効な手段です。法律専門家からの正式な通知として、会社に対してより強いプレッシャーをかける効果が期待できます。■また、この通知には以下の点を明記します。
・今後の連絡はすべて本人住所宛の郵便で行うこと
・電話、メール、および直接訪問による連絡は一切行わないことなお、弁護士法に違反しない「使者」としてのサービスは行います。
- Q苦しくてもう会社に行きたくありません!
- A
会社に行くのがつらいのですね。そのお気持ち、とてもよく分かります。
会社を辞めること以外にも、選択肢があることをご存じでしょうか?特に、休職を検討することには大きなメリットがあります。
■健康保険の「傷病手当金」をご存じですか?
もしあなたが正社員であれば、ほとんどの場合、健康保険に加入していますよね。この健康保険には「傷病手当金」という制度があるんです。
病気やケガで会社を休まざるを得ないとき、最長で1年6か月もの間、給与の一部(2/3)が支給される制度です。特にうつ病や適応障害などで体調を崩されている方にとっては、この制度はとても心強い味方になります。
この傷病手当金を受け取りながら、じっくり体調を回復させることに専念できます。さらに、1年6か月が経過した後も、条件を満たせば雇用保険の失業手当に切り替えることで、さらに休養期間を確保できる可能性があります。
■退職してしまうと利用できません
しかし、もし会社を退職してしまってからだと、たとえ任意継続に切り替えたとしても、この手厚い傷病手当金は受け取れなくなってしまいます。この制度は在職中に申請する必要があるんです。これは経済的にも精神的にも大きな違いになりますので、ぜひ知っておいてほしい点です。
■どこに相談すればいい?
退職代行業者の中には、このような健康保険制度について詳しく説明しないところもあります。なぜなら、弁護士以外の業者では、社会保険に関する専門的なアドバイスができないからです。
もし、ご自身の状況で休職が選択肢になるか、傷病手当金を受け取れるのか知りたい場合は、以下の窓口に相談してみましょう。
- 大手企業にお勤めの場合: 会社の健康保険組合(会社とは別の組織なので、安心して相談できます)
- 中小企業にお勤めの場合: 全国健康保険協会(協会けんぽ)の各都道府県支部
- どちらの場合でも: 各都道府県社会保険労務士会
一人で抱え込まず、まずは専門家に相談して、ご自身に合った最善の選択肢を見つけてくださいね。あなたの体調が少しでも早く回復されることを願っています。
- Q退職代行を依頼することは良くないことなんですか?
- A
退職代行の利用は「良くないこと」ではありません。むしろ、個人の権利を守るための有効な手段です。
「退職代行を使うのは良くないことですか?」というご質問をいただくことがありますが、私は全く問題ないと考えます。むしろ、状況によっては積極的に活用すべきサービスだとさえ感じています。
■退職代行は「業務代行」であり、特定の専門家による法的サポート
退職代行は、その名の通り「業務の代行」であり、家事代行などと同じように、特定の業務を第三者が請け負うサービスです。しかし、退職という行為には「雇用契約の解除」という法律行為が含まれるため、一般的には弁護士のみが行える業務とされています。
■例外規定の存在と、それぞれの専門家の役割
ただし、日本の法律には例外規定が設けられています。具体的には、弁護士法に「他の法律で許可されている行為は弁護士法違反とならない」と明記されており、これに該当するのが労働組合や行政書士です。
- 弁護士:依頼者のあらゆる法律行為を代理できます。
- 労働組合:依頼者を組合員とすることで、会社との団体交渉を行えます。
- 行政書士:書類作成の専門家であり、依頼者の代わりに退職届の作成や書き方の指導を行うことができます。ただし、行政書士が依頼者の代理人として会社と交渉する行為は、弁護士法違反(非弁行為)となるため注意が必要です。
■私たちの身近な「代行」と同じ感覚で捉えてください
私たちの日常生活においても、専門家へ依頼するケースは多々ありますよね。例えば、訴訟を起こす際に、自分で訴状を作成して裁判所に提出することは原則として可能ですが、多くの方が弁護士に依頼します。これは、法律の専門知識が必要であることや、手続きの複雑さを考慮すれば当然のことでしょう。内容証明郵便の作成を行政書士に依頼するのも同じです。
退職代行もこれと全く同じです。普段、私たちが専門家に業務を依頼するのと何ら変わりはありません。
■会社と労働者の「情報の非対称性」を埋める手段
なぜ退職代行が「必要」なのでしょうか。その背景には、会社と労働者の間に存在する**圧倒的な情報格差(非対称性)**があります。
会社側は、日頃から労働問題に対応しており、労働関連の法律知識や経験が豊富です。一方で、多くの労働者は、退職に関する法的な知識や交渉経験がほとんどありません。この知識や経験の差が、労働者にとって不利な状況を生み出す可能性があります。
退職代行は、この非対称性を埋める役割を果たすのです。専門家が間に入ることで、労働者は不当な扱いを受けることなく、スムーズかつ円滑に退職を進めることができます。自分の権利を守り、損をしないためにも、専門的なサポートを求めることは当然の選択と言えるでしょう。
■「自分で伝えるべき」という批判への反論
「退職は自分で伝えるべきだ」という意見もありますが、会社と労働者の間の情報格差を考慮すれば、一方的に労働者だけを非難するのは適切ではありません。
退職代行は、労働者が安心して新しい一歩を踏み出すための、現代社会における有効な選択肢の一つです。法的な問題に配慮し、信頼できる業者を選ぶ限りにおいて、その利用は全く問題ないと言えるでしょう。