行政書士法改正で退職代行サービスはどう変わる?来年施行の法改正に迫る!
先日、国会で行政書士法の改正案が成立したのをご存じでしょうか?この改正は、令和8年1月1日から施行されます。一見、行政書士に関わる話に聞こえるかもしれませんが、実は私たちの生活、特に近年利用者が増えている退職代行サービスに大きな影響を与える可能性があるんです。
今回の改正で特に注目すべきは、改正前の行政書士法第19条第1項(業務の制限)に「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が加えられた点です。
これまでの行政書士法では、「行政書士または行政書士法人でない者は、業として第一条の二に規定する業務を行うことができない」と規定されていました。しかし、この「業として」の範囲が曖昧な部分もあり、例えば退職代行業者が無料サービスとして依頼人の退職届作成を手助けするといった行為は、合法性の判断が難しいケースがありました。
「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」が肝!
しかし、今回の改正により「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」の文言が追加されたことで、その趣旨が明確になりました。つまり、今後は退職届の作成支援を「無料サービス」と称して行っていたとしても、退職代行という一連の業務の中で実質的に報酬を得ていると判断されれば、明確に行政書士法違反となる可能性が高くなったのです。
この改正がなぜ退職代行業界に影響を与えるのか、もう少し掘り下げてみましょう。
退職代行サービスの現状と課題
退職代行サービスは、多くの場合、依頼者の代わりに会社に電話で連絡することから始まります。しかし、電話一本で退職が確定することは稀です。会社側からすれば、代理権のない退職代行業者の電話だけで手続きを進めるわけにはいかず、最終的には本人との書面でのやり取りが必要になるケースがほとんどでしょう。
もちろん、依頼者本人と会社が直接やり取りすること自体には何の問題もありません。しかし、それではわざわざ退職代行サービスに依頼する意味が薄れてしまいます。電話一本で2万円以上の報酬を得ている業者からすれば、退職届の作成支援はサービスの肝とも言える部分ではないでしょうか。
これまでは、多くの退職代行業者が、退職届の見本を提示したり、書き方指導を行ったりすることで、依頼人の退職届作成に関与していたと推測されます。そして、これらの行為は「無料サービス」として提供されているという言い逃れができたわけです。
今後の退職代行業界の動向に注目
しかし、今回の法改正で、この「無料サービス」という名目での関与が非常に難しくなります。「いかなる名目によるかを問わず」違法となるため、退職代行業者はその業務スキームを根本的に見直す必要に迫られるはずです。
法律の施行まで、あと半年。退職代行業界がこの改正にどう対応し、サービスの内容や提供方法をどのように変化させていくのか、非常に注目されるところです。私たち消費者にとっても、サービスの選択肢や内容が変わってくる可能性があるので、今後の動向を注視していきましょう。
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