退職代行から連絡を受けたら、まず「委任状」を請求しましょう!

― 退職代行業界健全化のためには企業の協力が必要です―

退職代行サービスの利用者は増加し続けています。 労働者が安心して退職の意思を伝えられる手段として一定の役割を果たす一方で、法的に許されない業務を行う業者が存在することも事実です。

企業側が適切に対応しなければ、

  • 違法な交渉に巻き込まれる
  • 労働者本人が不利益を被る
  • 業界全体の質が低下する といった問題が生じかねません。

そこで重要になるのが、退職代行から連絡を受けた際に、まず「委任状」を請求し、業者の身分と委任事項を確認することです。

■ 委任状の確認が不可欠な理由

退職代行業者が行える業務は、その資格によって厳格に制限されています。

● 一般の退職代行業者ができること

  • 本人の退職意思を伝える
  • 退職日や貸与物返却など、事務的な連絡を代行する

● 一般の退職代行業者ができないこと

  • 有給消化の交渉
  • 退職金・未払い賃金の請求
  • 損害賠償などの交渉
  • トラブル解決に関する交渉全般

これらは弁護士資格がなければ扱えない業務です。

■ 労働組合による退職代行は合法

ここで重要なポイントがあります。

● 労働組合は「団体交渉権」に基づき交渉が可能

労働組合は、憲法および労働組合法により 団体交渉権(労働者のために会社と交渉する権利) が認められています。

そのため、

  • 有給消化
  • 退職条件
  • 未払い賃金 など、一般の退職代行業者では扱えない内容についても、 労働組合であれば合法的に交渉できます。

ただし、企業としては、 「本当に労働組合なのか」「組合員であるか」 を委任状や組合証明で確認することが重要です。

■ 重要な注意点:メールでの連絡は一般業者では行えない

見落とされがちなポイントとして、 メールでの連絡は「書面作成」に該当するため、一般業者には行えません。

メールでの代理連絡を行うには、 少なくとも行政書士資格が必要です。

  • 一般業者がメールで退職通知を送る
  • 一般業者がメールで会社とやり取りする

これらは法的に認められていないため、 委任状に「メールで連絡する」と書かれている場合は、 行政書士資格の有無を必ず確認すべきです。

■ 委任事項と業者の資格が一致しない場合の対応

結論としては、 その業者との接触を打ち切るべきです。

理由は明確で、 違法な業務を行おうとしている業者とやり取りを続けることは、企業側にもリスクが及ぶためです。

  • 非弁行為に巻き込まれる
  • 不適切な要求に応じてしまう
  • 労働者本人の不利益につながる

企業が毅然とした姿勢を示すことで、 「違法行為を行う業者とは取引しない」というメッセージが業界全体に伝わり、健全化が進みます。

■ 企業が取るべき具体的ステップ

① 退職代行から連絡が来たら、まず委任状の提示を求める

  • 委任者(従業員本人)の署名
  • 業者の名称・担当者
  • 委任事項の範囲
  • 労働組合の場合は組合証明 これらを確認する。

② 業者の資格を確認する

  • 弁護士
  • 労働組合
  • 行政書士
  • 一般業者

資格によってできる業務が大きく異なるため、委任事項との整合性を必ずチェックする。

③ 委任事項に違法行為が含まれていれば、接触を打ち切る

  • 「その内容は資格上対応できないため、業者とはやり取りできない」と伝える
  • 労働者本人に連絡が必要な場合は、法的に問題ない範囲で行う

■ 企業の適切な対応が業界を健全化させる

退職代行サービスは、労働者の権利を守るために必要な存在です。 しかし、法を逸脱した業者が横行すれば、利用者も企業も不利益を被ります。

だからこそ、企業側の適切な対応が重要です。

  • 委任状の確認
  • 業者の資格の確認
  • 労働組合であれば団体交渉権を理解する
  • メール連絡には行政書士資格が必要
  • 非弁行為があれば接触を打ち切る

この基本を徹底することで、 違法業者は自然と淘汰され、健全な退職代行サービスだけが残っていく未来につながります。

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